■みかんの話
ミカンの歴史
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「温州みかん」のルーツについては、鹿児島県の長島東町が原産地とされています。中国の研究者が「温州みかんは、15世紀の初め、日本から中国の天台山に留学した僧侶が帰国の途中に中国の温州(現在の浙江省温州府)を通って、温州みかんに似た果実を買って帰り、天草の長島の寺で種を播いた」という意見を出していますが、それはちょっと怪しいようです。温州府には温州みかんの類似品は全く存在していなかったそうなのです。 これには理由が2つあります。 話は少し外れますが、ミカンの仲間で「ダイダイ」と果物があります。お正月の飾りに使われる果物ですが、この「ダイダイ」はもともとは「代々」で非常におめでたいとされています。ではなぜ「代々」かというと、この果物はとても落果し難く、収穫しないでおくといつまでも(翌年も翌々年も)木になっていて、同じ木の上に三世代の果実がつくために、親から子へ、子から孫へと代々の相続を連想させるそうです。 |
中生品種 | |
●南柑20号
愛媛県宇和島市の今城辰男さんの園地が「南柑○号」の原産とされています。村松春太郎さんが宇和柑橘同業組合に在職中に、管内の優秀な温州ミカンを選抜して1ヵ所に集めて母樹園にしましたが、そのうちの1つです。村松さんは1929年にできた南予柑橘分場の分場長を務めましたが、そこで選抜された系統に分場の名をとって「南柑」と名を付けました。南柑20号は昭和初期より愛媛県内でぼちぼち作られていましたが、戦後面積が急激に伸びてきました。果実は大きくて扁平、皮の色が濃くて、果肉は緻密で酸が少なく糖度が高いので、特に甘いという特徴があります。愛媛県では年末贈答用として力を入れています。 |